マインドフルネスとは?~無意識なストレスからの解放~(後編)
マインドフルネスはどのように実践する?
それではマインドフルネスはどのように行うのでしょうか?
日常生活の中で、私たちは、食事をするとき、歩いているとき、電車に乗っているとき、心と体、呼吸はどのように動いているか、変化しているか、注意を向けたことはありますか?
日常生活では、我々は無意識にとても多くのことを感じ、行い、判断しています。この無意識の感覚や行為、判断・思考がストレスとなり、未来への予期不安、また過去に対する反芻による怒りや悔恨となり、さまざま問題や苦しみを生み出しています。
マインドフルネスでは、今の瞬間、瞬間に注意を向けて、その変化を感じ取り、自分自身で評価を行わないように、そのありようを、あるがままに感じとるトレーニングを行います。そして、私たちは、常に一定の状態にないということを感じ取り、変化している自分自身をあるがままに受け入れていきます。
マインドフルネスを実践すると、どんないいことがあるの?
このような継続的なトレーニングは、自己変容へと導いてくれます。
トラディショナルなマインドフルネスのトレーニングプログラムでは、坐ること・身体を動かすこと・歩くこと・食べることなど日常生活に根差したことを行います。そして、このような普段、無意識に行っている行為に意識を向け、一瞬一瞬の短い時間、一息の呼吸、体の変化、心の変化、自然体な自分を注意深く観察することにより、無意識から生まれるストレスから解放され、新たな自己への気づき、新しい人生へ自然と導かれていきます。
一番最初に申し上げた、社員研修で取り入れられている理由は、ストレスの軽減、仕事のクリエイティビティの向上、自己変容による社会へのさらなる貢献などが期待されているからなのではないでしょうか。
ピラティスのレッスン中も、一瞬一瞬の短い動き、呼吸、エクササイズごとの体の変化、心の変化を意識的に観察しながら行いますので、自然とマインドフルネスの実践を行っていることになります。
マインドフルネスの様々な側面(科学、医療、仏教)
先ほどの定義の部分でもでてきましたが、欧米のマインドフルネスを世の中に広めた方として、ジョン・カバット・ジン氏のことを紹介しておきたいと思います。また、仏教の側からマインドフルネスを世界中に広めた方としてティック・ナット・ハン師もご紹介します。
<ジョン・カバット・ジン氏>
ジョン・カバット・ジン氏は、世界各国を巡り、日本の禅、特に道元禅師の影響を受け、インドではヨーガの修行をしました。様々な東洋的修行を通し、彼はマインドフルネスを体系化・プログラム化していきました。そして、仏教のコンセプト「サティ」を現代に合わせた形に変容させ、宗教色をなくし、科学的に解かりやすくまとめました。
そして、ヨーガや瞑想を基本としたマインドフルネス・ストレス逓減法(MBSR)を創始しました。当初、このプログラムは、主に西洋医学では見放された方たち、慢性疼痛疾患・末期がん患者向けにペインクリニックとして始まりました。そして、現在ではその適用範囲がさらに広げられて、不安・うつ・パニック症など心の問題を抱えた人々にも、治療として取り入れられ始めています。
ジョン・カバット・ジン氏の論文により、マインドフルネスの研究効果が認められ、世界中に広まっていきました。
また、治療目的だけではなく、社員教育としても取り入れ始めています。米国大手企業Google社、ゴールドマンサックス社、インテル社、アップル社なども、企業独自のマインドフルネストレーニングを取り入れ社員教育をしています。
<ティック・ナット・ハン師>
次に、仏教の側からマインドフルネスを世界中に広めた方として、ティック・ナット・ハン師を紹介しておきたいと思います。ティック・ナット・ハン師はベトナム出身の臨済宗の禅僧です。そして、現在はフランスで「プライムヴィレッジ」という、ご自身のサンガで主に活動されております。
今、書店の仏教書等のコーナーに行けば、必ずティック・ナット・ハン師の著書があるはずです。どの本も、マインドフルネスを深く理解した教養にあふれた内容の本ばかりです。仏教からマインドフルネスの理解を深めたい方は、是非ティック・ナット・ハン師の著書をご覧いただくとよいでしょう。
次回はマインドフルネスとヨーガについてお話ししていきたいと思います。
お読みいただきありがとうございました。
googleやゴールドマン・サックスなどの一流企業が続々導入し、アメリカでは一般市民レベルで大きな飛躍を見せている「マインドフルネス」。
一過性のブームではなく、現代人老若男女問わず必要とされるものとして認知されています。
科学的にもその効果が証明されており、ますます今後広がっていくと考えられます。
BASIピラティスはマインドフルムーブメントにフォーカスしたクラスを行うピラティス専門スタジオです。
BASIピラティス HP:こちら
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