今この瞬間を、味わう
「味わう」とは?
「味わう」というと、すぐに思い浮かぶのは、食事のシーンではないでしょうか?例えば、ワインやウイスキー好きの人は、飲む前にグラスを傾け、その色や香りを堪能し、そのワインやウイスキーが出来るまでの過程に思いを馳せたりすることもあるかもしれません。一方、この「味わうこと」(Savoring:セイバリング)は、実はポジティブ心理学ではとても重要な概念だと考えられています。
「味わうこと(セイバリング)」という概念は、米ロヨラ大学の社会心理学者フレッド・ブライアント博士によって提唱されたもので、学術的には、ポジティブな出来事に対する自分の感情をしっかり意識し、それに対して心を込めて関与することとされます。つまり、ポジティブな出来事をしっかりと噛みしめるということですね。そうすることで、ウェルビーイング(幸福感)が高まるという研究結果が多数あります。「なんだ、そんな簡単なことか」と思うかもしれませんが、私たちは日常生活の中で、いかに、この「味わう」ことを疎かにしているかを明らかにした研究がありますので、次に紹介します。
注意散漫な私たちの日常
歩きスマホや、最近は自転車に乗りながらスマホをしている人もよく見かけます。本来・・・
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【執筆者プロフィール】
板生 研一
WINフロンティア株式会社創業者&CEO / MBA&PhD(医学)/ SONY出身 / 東京成徳大学経営学部特任教授 / メンタル・マネジメント、クリエイティビティ・マネジメント、アントレプレナーシップの研究と実践 / 信頼できるエビデンス(海外学術研究等)に基づき発信 / noteで『起業家兼研究者が考える メンタル・マネジメント法』を連載中