業種や職種を超えて求められている、クリエイティブツールスキルの向上とは?

アドビ株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:神谷 知信、以下 アドビ)は、2021年に引き続き、「クリエイティブツールスキルの企業採用におけるニーズの変化」に関する調査を2022年12月に実施いたしました。また今回、派遣市場におけるクリエイティブツールスキルのニーズについても新たに調査を実施いたしました。

今回の調査では、前回に引き続き、企業採用におけるクリエイティブツールスキルの重要度・価値が高まっていること、また派遣社員採用においてもクリエイティブな作業を求める企業が増加してきていることが明らかになりました。生産性を上げるだけでなく、コミュニケーションとしても有効なクリエイティブツールスキルの需要は今後も拡大し、さらにリスキリング普及の後押しもあり、デジタル人材育成の機運が高まると予測されます。

今回の調査で明らかになった主な結果は以下の通りです。
●非クリエイティブ職における、「求める人材」の条件にクリエイティブツールスキルを含む求人の割合は、2010年時と比較した場合、2022年時点での「営業」では約4倍、「企画・経営」では約2.4倍、「管理・事務」では約4.7倍に増加 。※2021年調査時:「営業」では約1.9倍、「企画・経営」では約2.9倍、「管理・事務」では約4.2倍に増加(2010年との比較)
●正社員採用担当者側への調査において、「クリエイティブツールスキルを持った求職者は重要である」と67.5%が回答し、非クリエイティブ職におけるクリエイティブツールスキル保有者は、非保有者よりも月給を「平均3.8万円ほど優遇できる」と判明。※2021年調査時:平均3.4万円ほど優遇
●派遣採用担当者側への調査において、「クリエイティブツールスキルを持つ方を優先する場面が増えている」と75.5%が回答し、非クリエイティブ職におけるクリエイティブツールスキル保有者は、非保有者よりも月給を「平均1万4,572円優遇できる」と考えられていることが判明。
・52.5%の企業が、社員向けにクリエイティブツールスキル向上を目的とした取り組みを実施、または実施予定と回答。※2021年調査時:39.6%

本調査では、「クリエイティブツールスキル」は、デザインや画像・動画の編集などのプロレベルのスキルではなく、ソフトウェアを使って、簡単な写真・画像編集・加工、動画編集・作成、またイラスト作画・チラシやポスターのデザインなどができることを示しています。また、「非クリエイティブ職」は、「クリエイティブ職※」を除く営業、企画・経営、管理・事務などの職種になります。

※本調査で述べる「クリエイティブ職」は、「WEB・インターネット・ゲーム 」「クリエイティブ」「建築・土木・デザイン・設計」の職種を指します。

■非クリエイティブ職「営業」・「企画・経営」・「管理・事務」の求人に、クリエイティブツールスキル歓迎
の記載が増加。特に、「管理・事務」の増加が顕著で、2010年時と比較して2022年は4.7倍に

マイナビ転職のサイト内で記載される「対象となる方」の欄に、クリエイティブツールスキルを含む非クリエイティブ職全体の求人掲載総数は、2010年起点と比較した場合※1、2022年時点で約4倍に増加しており、その中でも「営業」では約4倍、「企画・経営」では約2.4倍、「管理・事務」では約4.7倍に増加していることがわかりました。
※1  計算方法:2010年時点の値を100%として、各年の増減率から年次推移を算出

「管理・事務」において数字が顕著に伸びている要因として、リモートワークの普及に伴い、オンライン商談が増えたことで、遠隔でも内容が相手に伝わりやすいよう、これまでのテキスト・グラフが中心の営業資料に簡単なグラフィックや説明動画などを用意するケースが多発し、そうした簡単なクリエイティブを制作するスキルが求められる場面が増加傾向にあることが考えられます。

≪正社員採用における調査≫

■中途採用市場において、約7割の採用担当者が「クリエイティブツールスキルの重要性が高まっている」と回答

中途採用担当者側の約7割が、「クリエイティブツールスキルの重要性が高まっている」と回答しました。また、約7割の求職者が、近年転職を行う際、「クリエイティブツールスキルを持っていることが重要だと感じる」と回答しました。
企業採用担当者、求職者問わず、非クリエイティブ職においてもクリエイティブツールスキルの重要であると浸透していることがわかりました。

■昨年以上の高待遇を検討する企業多数。クリエイティブツールスキル保有者は、非保有者よりも月給を「平均3.8万円ほど優遇できる」と判明

求職者の給与に関して、クリエイティブツールスキルを持っている人材であれば、同等の能力でかつそのスキルを持っていない人材と比較した場合、月給「平均3.8万ほど優遇できる」という結果であったことから、今年度の調査結果をみると企業におけるクリエイティブツールスキルへの重要度、価値が高まっていることがわかりました。(2021年調査:平均3.4万円ほど優遇)

採用市場においてもクリエイティブツールスキルを持って転職活動することが有利である時代にもなってきていることが考えられます。

さらに2022年調査では、派遣採用に関する市場の変化についても実施しましたので、以下にて結果をご報告します。

≪派遣社員採用における調査≫

■派遣採用市場において、約8割の採用担当者が「クリエイティブツールスキルを持つ派遣社員の方を面談時に優先する場面が増えている」と回答

派遣採用市場において、派遣採用担当者側の約8割が、「クリエイティブツールスキルを持つ派遣社員の方を面談時に優先する場面が増えている」と回答しました。また、約7割の求職者が面談を受ける際、採用担当者からクリエイティブツールスキルの有無を聞かれる事が増えたと回答しました。
正社員だけでなく、派遣社員の方にも、クリエイティブツールを使用した業務の依頼をする機会が増え、スキルの需要が高まっていることがわかります。

■派遣社員採用時、クリエイティブツールスキル保有者は、非保有者よりも月給を「平均1万4,572円ほど優遇できる」と判明

約8割の派遣採用担当者が、クリエイティブツールスキルを持っている人材であれば、同等の能力でかつそのスキルを持っていない人材と比較した場合、時給で「平均82.8円優遇できる」と回答が集まりました。これは、月給換算※2にすると平均1万4,572円に相当になります。派遣社員にとっても、クリエイティブツールスキルを保有していることは非常に大きなアドバンテージとなることがわかります。
※2  給与に関する調査に関しては、「派遣エージェンシーから相談をされた場合を想定」、また「月22日間、労働時間を8時間/日 = 176時間/月と仮定」としてアンケートを実施し算出。

■前年比1割増となる5割以上の企業が、クリエイティブツールスキル向上を目的とした取り組みを実施、実施予定と回答

社内におけるクリエイティブツールスキル向上を目的とした取り組みの実施有無に関して、52.5%の企業がクリエイティブツールスキル向上を目的とした取り組みを実施、または実施予定と回答しました。その結果から、個人のスキル向上だけでなく、会社全体としてスキルアップを積極的に取り組んでいる企業が増えていることが考えられます。スキルアップのための企業の取り組みは、人材育成戦略の一部であり、政府からも言及され今注目される、スキルの学び直し“リスキリング”が急激に普及していることがわかります。(2021年調査:39.6%の企業が取り組みを実施、または実施予定と回答)

アドビ株式会社常務執行役員 兼 CMO(最高マーケティング責任者)の里村明洋は、次のように述べています。「今回の調査では、クリエイティブツールスキルのニーズだけでなく、企業におけるリスキリングの普及も明らかとなり、デジタル人材育成の機運の高まりを感じる結果となりました。デジタル人材育成は、急務とされる企業のDXを推進するだけでなく、個人にとっても副業や転職の武器を持つことに繋がります。アドビは、『Creativity for All: すべての人に“つくる力”を』の理念のもと、クリエイティビティはあらゆる人に開かれていると考えています。クリエイティブツールを使うのは決して難しいものではありません。自分のクリエイティビティを表現する手段として、まずは楽しみながら触れてみることがスキル取得への第一歩になると考えます。アドビでは、クリエイティブツールに触ったことがない初心者にとっても使いやすいAdobe Expressをリリースするなど、その第一歩を応援する施策を展開しています。アドビは、今後もクリエイティブ デジタル リテラシーを持つ人材の育成を加速することにより、デジタルによる新たな価値創造を推進してまいります。」

また、キャリア研究の第一人者として活躍される、法政大学キャリアデザイン学部の田中研之輔教授は、次のように述べています。「アフターコロナを迎えるにあたり、今、ビジネスパーソンには二つの変化に適合していくことが求められています。一つは、ハイブリッドワークへの適合です。特に、オンラインワーク時には、ZOOM、Teams、WebexなどのWeb会議ツールを用いて、テキストやグラフをよりスタイリッシュに構成し、短時間で正確なメッセージを伝えていくスキルが求められています。また、もう一つは、企業内リスキリングへの適合です。2023年は、人的資本経営アクション元年です。企業は、社員の人的資本を最大化させるために、各種のリスキリング施策を準備しています。その際に、業種や職種をこえて広く求められているのが、クリエイティブツールスキルの向上です。本調査では、非クリエイティブ職の中途採用時に、クリエイティブツール保有者が給与面でも優遇されていることが明らかになりました。また、派遣社員採用時にもクリエイティブツール保有者は月額で約1万5000円弱も優遇されることがわかりました。働き方の歴史的転換期を好機と捉え、企業が社員や派遣社員へのクリエイティブツールスキル向上に積極的な投資をしていくことで、生産性や競争力を活性化させることができます。今、あらゆる業界で求められている創造的なイノベーションの起点になるのも、クリエイティブツールスキルです。ビジネスパーソンのクリエイティブツールスキルの獲得が、令和時代の企業の活性化の鍵を握っているのです。」

<アドビ 調査概要>
●調査方法:インターネット調査
●調査対象:求職・転職者(正社員/派遣社員: 各200名(全国)、採用者(中途採用/派遣採用): 各200名(一都三県+愛知+大阪)
●調査期間:2022年12月3日(土)〜2022年12月5日(月)

<マイナビ転職「2022年11月度 正社員求人掲載数・応募数推移レポート」概要>
●調査方法:「マイナビ転職」サイト内調査
●集計日:2022年11月
●集計方法:該当年における、弊社総合転職情報サイト「マイナビ転職」に掲載開始された求人情報から、雇用形態が正社員以外のデータを除き集計
●計算方法:2010年時点の値を100%として、各年の増減率から年次推移を算出

■「マイナビ転職」について
『マイナビ転職』( https://tenshoku.mynavi.jp/ ) は、全国の求人情報掲載数や登録会員ユーザー数において、国内最大級の総合転職情報サイトです。毎週火・金曜日更新で、常時10,000件以上の転職・求人情報を掲載しています。
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マイナビ転職はユーザーと企業の出会いがそれぞれにとって素晴らしい「転機」となるきっかけになるよう、より良いサービスを提供します。

■「アドビ」について
アドビは、「世界を動かすデジタル体験を」をミッションとして、3つのクラウドソリューションで、優れた顧客体験を提供できるよう企業・個人のお客様を支援しています。Creative Cloud( https://www.adobe.com/jp/creativecloud.html )は、写真、デザイン、ビデオ、web、UXなどのための20以上の デスクトップアプリやモバイルアプリ、サービスを提供しています。Document Cloud( https://www.adobe.com/jp/documentcloud.html )では、デジタル文書の作成、編集、共有、スキャン、署名が簡単にでき、デバイスに関わらず文書のやり取りと共同作業が安全に行えます。Experience Cloud( https://business.adobe.com/jp/products/adobe-experience-cloud-products.html )は、コンテンツ管理、パーソナライゼーション、データ分析、コマースに対し、顧客ロイヤルティおよび企業の長期的な成功を推進する優れた顧客体験の提供を支援しています。これら製品、サービスの多くで、アドビの人工知能(AI)と機械学習のプラットフォームであるAdobe Sensei( https://www.adobe.com/jp/sensei.html )を活用しています。

アドビ株式会社は米Adobe Inc.の日本法人です。日本市場においては、人々の創造性を解放するデジタルトランスフォーメーションを推進するため、「心、おどる、デジタル」というビジョンのもと、心にひびく、社会がつながる、幸せなデジタル社会の実現を目指します。

アドビに関する詳細な情報は、webサイト( https://www.adobe.com/jp/about-adobe.html )をご覧ください。

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掲載元:PR TIMES

Selected by COCOLOLO ライフ magazine 編集部