「短歌」で小さなクリエイティビティを高め、メンタルを整える

SNSに通じる「短歌」

「短歌」がちょっとしたブームのようです。特に中高生の間で流行っているといいます。

以下、日経新聞の記事を引用してみたいと思います。

若い世代の間で短歌がブームだという。1987年から続く東洋大学の「現代学生百人一首」には今年度、国内外から約6万6千首の応募があった。詠み人の多くが中学生、高校生だ。入選作を読めば、三十一文字に込められた10代の感性がまぶしく、少しうらやましい。

出典:日経新聞 春秋 2023年1月29日

同記事では、コロナ下での閉塞感から日常が戻りつつある喜びを表現した高校生の短歌として、こんな1首が紹介されています。

「文化祭 初の対面 ミュージカル 拍手はこんなに 嬉しかったか」

出典:日経新聞 春秋 2023年1月29日

ご存知のように、短歌は、5・7・5・7・7という文字制限の中で、いかに自分が伝えたいことを表現するかが勝負ですが、この一首を例にとっても、短い言葉の中に強いメッセージが込められており、その人が直面した情景が浮かび上がってきます。

ところで、なぜ今、短歌がちょっとしたブームなのでしょうか。

上述の記事によると、その背景には、SNSとの親和性があるようです。31文字という限られた文字の中で、ストレートに自分の感情を乗せ、共感を得るという行為が、SNSで投稿する感覚と重なるということのようです。また、誰からも非難されないように、表現を工夫し、推敲を重ねるという点も、SNSと似ているとのこと。

私も、その日の出来事を振り返ってみて、短歌にまとめるということを時々、実践していますが、自分の作ったものを後で見返してみると、たった31文字なのに、その時の情景を直感的に思い出すことができ、言葉の力の凄さを感じずにはいられませんし、この文字形式が人間の感情に最も訴える形式であることを見抜いた先人の知恵に敬服します。

このように先人の知恵によって生み出された短歌ですが、実は、このnoteで最も伝えたい「日々の小さなクリエイティビティ(リトルC)」の実践に、短歌はぴったりです。

なぜ、短歌がクリエイティビティを高めるのかについて、次に、関連する研究をご紹介しながら説明したいと思います。

「不足」がクリエイティビティを生む

新しいアイデアは、不便や不自由な状況から生まれやすいといのは、多くの人が感じるところではないでしょうか。

実は・・・

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【執筆者プロフィール】

板生 研一

WINフロンティア株式会社創業者&CEO / MBA&PhD(医学)/ SONY出身 / 東京成徳大学経営学部特任教授 / メンタル・マネジメント、クリエイティビティ・マネジメント、アントレプレナーシップの研究と実践 / 信頼できるエビデンス(海外学術研究等)に基づき発信 / noteで『起業家兼研究者が考える メンタル・マネジメント法』を連載中