10呼吸と予防医学(前編)

一般的に「予防」と聞くと、病気に対しての予防と考えがちですが、予防にもいろいろあります。
私達が健康であるためにはいろんな意味での「予防」が大切ですね。

予防とは準備

人間とは同じ過ちを繰り返すもので、ある一定の間は記憶が残ってますが、それ以降になると負の記憶は忘却されてしまいます。

1日の出来事をすべて記憶しているとたしかに脳の中の容量は足りなくなるかもしれません。
楽しい記憶と苦しい記憶があり、どちらかを忘れなくては新しいものが入ってこないとすると、苦しい方がその選択肢に上がると思います。

そうやって記憶を美化し、修飾していくのが人間なのです。

予防の概念は何百年前から語り継がれてきている概念です。
病気にならないように、怪我をしないようにと身体環境や様々な面まで準備するように教えられてきます。
手洗い、うがいなどもその最たるものです。

我々は風邪をひいた時の辛さを知っています。
さらに仕事を休まなくてはいけなくなり、迷惑をかけたことも記憶にあります。
しかし徹底した風邪予防は行いません。
これが一番の問題なのです。

自分の体は自分で守るしかないはずなのに、どこかで病院や社会に依存してしまっている。
これでは健康寿命が伸びることも難しいでしょう。

予防とは同じ失敗を繰り返さないための準備なのです。
これは早めに、さらに余裕ある程度の準備が必要です。

 

精神的予防

精神的というと精神的鍛錬のようなイメージが湧いてしまいますが、精神面における予防とは一言で言うと「レジリエンス」を高めることにあります。

自分の行動からくる結果を恐れてビクビクしてしまう状況では気が休まりません。
一般的に言われるようにどのようなことが起きても動じない強い心が社会を生き抜くには必要なのです。

しかし誰もが強い心を持っているわけではありません。
落ち込みますし、過剰に気分が高揚したりします。
冷静で居続けられることは難しいのです。

このレジリエンスとは元々工業系の言葉であり、ある物体を外から力をかけて変形させたのち、力から解放すると元に戻るもしくは反発して大きな力を出すような物体の持つ弾力性を指しています。

精神領域で使う際には「心の弾力性」と言われます。
様々なストレスも柔軟な自身の心で受け止めて、優しく弾きかえすことが社会においてのストレス対処法なのです。

このレジリエンスを高めるためには、心を柔らかく、さまざまなシチュエーションを経験しておく必要があります。

大笑いしたり、泣き崩れたり、自分の心が球体に例えれば、あらゆる方向に引っ張ったり、押したり、ひねったりします。
それは体験に勝るものはありません。
心も琴線を弾くような出来事を自分で見つけられる止まるとよいでしょう。

いくら心に弾力性があるといっても、形の変形はいくらか残ってしまいます。
元の形に正しく戻すには、心の状態をフラットに戻すことが必要なのです。
そのためには興奮した精神を抑制させるために、副交感神経を活性化します。

副交感神経は様々な身体状況で活動しますが、少し意図的にコントロールすることができるのは呼吸になります。

深く、長く、息を吸って吐く、要は深呼吸を行うことで副交感神経が働き始めます。

落ち込んだ時のため息などもこの作用に近いのです。
たくさん笑った後にはその余韻を楽しみつつ深呼吸、映画で感動して泣いた後は深呼吸、このような日常の癖で心の健康を維持し、準備できるのです。

続きは後編で。

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