マインドフルネスと寛容(前編)

今回は寛容というテーマで進めたいと思います。
寛容という意味は広く受け入れるという事です。

広くというのは良い事、悪い事、快適な事、不快な事、普通の事、すべてという意味を含んでいます。
英語で言うとAcceptanceという言葉が使われます。

早稲田大学教授の熊野宏昭先生はACT(アクセプタンス&コミットメント・セラピー)Acceptanceの要素を治療に応用されています。

物事をありのままに受け入れるという寛容さはマインドフルネスのとても重要な要素の一つになります。
今回は寛容・アクセプタンスという事でマインドフルネスを考えてみたいと思います。

 

広く受け入れるという事

私たちは生活をしていれば誰でもいろいろな場面に遭遇します。
自分がしたいこと、したくないこと、特に自分にマイナスな面は受け入れたがらないのが私たちの働きでしょう。
人間楽な方がいいと感じがちです。

しかし、実は苦しみを知りそれを受け入れるという作業は私たちをより成長させてくれます。

私はヨーガのクラスをする時、苦しい感覚、疲労がたまる感覚を味わう動作を入れるようにしています。
もちろん、それは無理をさせて身体をいためない方法ですが。

ただ快適な事だけではなく、苦しい感覚、疲労がたまる感覚をキープしその感覚を受け入れる練習ですとも伝えるようにして参加者の皆様に体験してもらいます。

そのトレーニングには寛容の心を鍛える要素が入っています。
苦しい感覚を客観的に受け取る練習は楽なことが好きな我々の働きに違うものの感じ方、視点を与えるものになるでしょう。

 

受け入れることによる俯瞰する

坐禅・瞑想のトレーニングにしてもヨーガと同様のことが言えるでしょう。
坐禅・瞑想は坐る身体、坐る力(集中力)が必要になります。

長く坐っていると当然身体が痛くなり動きたくなります。
しかし、動かずに痛みなどの不快感を受け入れるという寛容のトレーニングにつながっていきます。

以前こんなことがありました。
初夏、藤田一照老子の坐禅会に参加し、坐禅をしている時蚊が羽音に気が付きました。

そして、その蚊が私の周りを旋回していることも感じながら動きたい、刺されたくない、刺さないでー、他の人のところへいってー、と感じながら動かずにじっとしていました。

しかし、こともあろうか蚊は私の右の耳のてっぺんにピタリとやってきて、スーッと管を私の身体に差し込み、しばらく血を吸っていました。

採血が終了すると蚊はふわりと私の耳から離れしばらくすると羽音私の後ろの方へ消えていきました。

蚊がいなくなりしばらくすると右耳のてっぺんが熱くなり始めます。
熱くなってしばらくすると今度はかゆくなります。

かゆみも頂点に達するとだんだんと収まり気にならなくなりました。
普段なら蚊を払い、刺されたらパチンと叩き、刺されたら掻くという事を一切せず動かずに観察して受け入れる。
これも、寛容のトレーニングといえるでしょう。

不快な出来事をありのままに感じ、まず、受け取る。
それが、寛容の大切な要素になると思います。

続きは後編で。

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