会えない人には所以SNSより「電話」しよう【#07 おうちでストレスオフ】

ずっと一人で過ごしていたり、“家族疲れ”になっていたりで、友人たちとのコミュニケーションが恋しくなりますよね。そんな時は、SNSよりも電話やビデオ通話がストレスオフにはおすすめ。その理由とは?

■ストレスオフに有効!愛情ホルモンのオキシトシン

愛情ホルモンと呼ばれるオキシトシンが注目を集めています。その理由の一つは、ストレスへの働き。ストレス中枢を鎮静化し、ストレス物質のコルチゾールの分泌を抑制する働きがある脳内物質なのです。以前は乳汁(母乳)の分泌を促す女性特有のホルモンであるとされていましたが、近年の測定技術の進歩により、子どもを持たない女性や、男性の脳でも分泌されることが明らかになりました。

■便利なSNSやメールでオキシトシンが減少する?

先ほどお話したように、オキシトシンには母乳の分泌を促す作用があり、これが“愛情ホルモン”と呼ばれる所以。授乳は赤ちゃんとお母さんとのスキンシップですから、同じように、夫婦や友人など親しい人との触れ合いによってもオキシトシンが分泌されることがわかっています。しかし、さまざまな技術の発達により便利になった今。SNSやメールで気軽にコミュニケーションできるようになりましたが、ここにひとつの弊害が。人と人と触れ合いやつながりが希薄になっていることで、現代人はオキシトシンの分泌が減少している可能性があると、脳生理学者の有田秀穂先生は指摘しています。

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■SNS利用4~5時間で、高ストレス者は低ストレス者の5倍にも

オフラボの「ココロの体力測定2018」から、女性7万人(20~69歳)の「1日のSNSの使用時間」を抽出。厚生労働省ストレスチェック基準で算出したストレスレベル別でその結果を見てみると、「20分前後」を境に、高ストレス者(77点以上)と低ストレス者(39点以下)の割合が逆転。さらに「1時間前後」で大きく差が開きはじめ、「4~5時間程度」では、高ストレス者は低ストレス者のは5倍以上にもなります。
ブルーライトや小さな画面とずっとにらめっこすることによる視覚ストレスの影響はもちろんですが、SNSの特性であるコミュニケーション疲れや、オキシトシン分泌の減少が影響しているのかもしれません。

【関連記事】ネット「3時間」またはSNS「30分」以上使用で高ストレス女性が1.7倍以上に

女性のストレスレベル別「1日のSNS使用時間」

■オンライン飲み会もストレスオフにおすすめ

オキシトシンの分泌には、親しい人との“ここちいい触れ合い”が有効とされています。ハグしたり手をつないだりといったスキンシップはもちろん、顔を見合わせておしゃべりすることも。電話で声を聞くことも有効です。離れて暮らす家族の声を聞いただけで、ほっと安心した経験がある人も多いでしょう。流行しているオンライン飲み会も、楽しいだけでなく、ストレスオフにもぴったりというわけです。
長いおうち時間はもうしばらく続きそうです。コミュニケーションをSNSやメールに頼っていた人は、ぜひ電話やビデオ通話も活用してみましょう。

「おうちでストレスオフ」とは?
模様替えをしたり、本格的な料理にチャレンジしてみたり。長いおうち時間をどうやって過ごすか? みなさん、さまざまに工夫して毎日を送っているのではないでしょうか。もちろん、自分が「好き」であったり「癒やされる」と実感できることは大切ですが、一時的に気分がよくなっているだけで、実はストレスオフされていないことも……。
そこでストレスとの上手な付き合い方をご紹介しているオフラボでは、全国14万人におこなっている「ココロの体力測定」から見出した低ストレス者の傾向や、有識者への取材を基に「今おうちでできるストレスオフ」のアイデアをまとめました。#STAY HOMEが、少しでも快適で楽しい時間になりますように。

 

執筆・監修:ストレスオフラボ