冬場気分が落ち込んだら、同質の原理でゆったり過ごす
冬の心の状態は?
秋から冬にかけてなんとなく気持ちが沈みがちになることを、季節性気分障害といいます。夕方早くに日が暮れて、わけもなく物悲しい気持ちになるのもこの季節独特の心理状態といえるでしょう。
ただこれは自然の摂理です。私たちの心を安定させるセロトニンは太陽の光を浴びて活性しますし、寒さも本格化して身体も省エネモードになるこの季節は、心も体もちょっとペースダウンするのが理にかなっていると言えるでしょう。
心の状態に寄り添う「同質の原理」
いつでもどこでも音楽に触れられる今、みなさんはどうやって選曲していますか?
音楽療法の原則は好きな曲を聴くことですが、もう一つ大原則として「同質の原理」というものがあります。これは一言でいえば「心の状態と合った音楽を聴く」ということです。例えば、悲しいときには悲しい感じの曲。ゆったりとした心に寄り添うような曲を聴くことから始めて、心の回復具合に沿って徐々にテンポやリズムを感じるような曲に変化させていきます。弱った心を音楽に共感してもらうような感じです。
同質の音楽を聴くという時間を通して、今の自分を冷静に見つめることにもつながり、浄化感が生まれたり、少しずつ前向きな気持ちになっていく感覚が得られるため、特に気分がダウンしている時には癒しにつながります。
ショパンの心情が炙り出される美しいメロディー「雨だれ」
有名な曲にはそれを創った作家自身の心理状態を表すものがたくさんあります。その中の一つがショパンの「雨だれ」です。恋人ジョルジュサンドとマヨルカ島の修道院へ逃避行したものの秋の長雨で持病の肺結核が悪化。そんな中、独りで留守番をしていた嵐の夜に作られた曲です。聴いていると、作曲者自身の憂いや苦悩が伝わってきます。そして自身が最高傑作と呼んだ美しい旋律は、悲愴な状況の中にどこか安堵感をも与えてくれます。
わけもなく落ち込んだり元気がないな、という夜にはこんな曲を聴いて、自分の心に寄り添ってみましょう。
プロフィール
殿村江美
有限会社E.flat代表マーケティングプランナー
産業カウンセラー、ハーバルセラピスト
「健康価値マーケティングでくらしをトーンアップ」をテーマとする+TONEで、商品開発、リサーチ、プロモーション開発等で企業のマーケティング活動をサポートする。
現代社会におけるストレスケアに向けて、メディカルハーブ、音楽療法、カウンセリングを活かしたコンテンツ制作や編集なども行う。
著書に「Me time こころをほぐす12ヶ月のメディカルハーブティ」
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